エピソード8-2「波動の仕組み 意識を向けたところに波動は流れ、大きく広がっていく」
ぼくは興奮していた。
呼吸が荒くなり、目はぎらぎらとしていた。
『優くん。』
アーシャが静かな声で、ぼくの名前を読んだ。
『優くん、今はどんな気持ち?
良い気持ち?心地良い気持ち?』
「うーん。怒っている。それに悲しい。
心地良くない。いい気分でもない。
どちらかというとよくない気分。」
『優くん、意識を向けたところにエネルギーは流れていくよ。
そしてそれ自体のエネルギーは、さらに大きく広がっていくんだよ。』
「なにが言いたいの?」
『意識を向けるというのはね
何かについて深く考え、言葉にし、それによって強い感情を抱くことだよ。
意識は波動をもっている。
意識を向けたところに波動は流れていく。
そしてその対象の波動が大きく、大きく、広がっていく。』
「難しいな。」
『優くん、意識を向けるならね、
全ての人が豊かで幸せで微笑んでいる姿に意識を向けて。
全ての動物が豊かに幸せに心地良く過ごしていることに意識を向けて。
イメージして。
みんなが幸せなところを。
心豊かで、満たされているところを。』
「そんなことしてもなににもならないよ。」
『そんなことないんだよ。
意識を向けたところにエネルギーは流れていき、
大きく、広がっていくって言ったでしょ?
本当にそうなるんだよ。
優くんが全ての人、全ての動物が豊かで幸せで愛に満ちているところをイメージし、言葉にし、強い幸福の感情を味わう。
そうすると、その波動が大きく、大きく、広がっていく。
するとね、本当に豊かで幸せで愛に満ちている人々や動物が増えるんだよ。
平和を望むなら、平和について考えよう。話そう。平和な気持ちを感じよう。
豊かさを望むなら、豊かさについて考えよう。話そう。豊かな気持ちを感じよう。
愛を望むなら、愛について考えよう。話そう。愛の気持ちを感じよう。
全ての人がそれをイメージし、言葉にし、強い幸福の感情を味わえば、世界に苦しみはなくなる。
だからね、「どんなに動物が苦しんでいるか」をみんなに伝えないで。
そのことを考えないで、言葉にしないで、哀しみを感じないで。
だって、その波動は広がり、苦しむ人や動物を増やしてしまうから。
反対もしないで。
反対も意識を向けていることになる。
よく、デモをしている人がいるよね。
それはね、実は逆効果になってしまうんだよ。
戦争反対!!!って言っているとき、どこに意識を向けている?』