エピソード9-2「魂の望みと幸せな人生の道標」

 
『人は1日に何回、選択をしていると思う?』

 

「思考の次は選択?思考は6万回だったよね?

そんなの・・・分からないよ。」

 

『アメリカの研究結果によると人は1日に3万5千回選択するのだと言われているんだよ。』

 

「そんなに?」

 

『うん。無意識の選択も含めてね。

この日々の選択がね、優くんの人生を創る1つの材料なんだよ。

ささやかな選択の連続で、優くんの人生は創られていく。
 

買う物を選ぶ、着る服を選ぶ、何を聞くのかを選ぶ、何を見るのかを選ぶ、

何を食べるのかを選ぶ、どこに行くのかを選ぶ、誰と会うのかを選ぶ、発する言葉を選ぶ。

 

その全ての選択を自分にとって心地良いものにするように心がけるんだ。

優くんにとって心地良いものだけを自分の人生に招き入れるんだ。
 

自分の部屋を心地良いものだけで満たすという選択によって、

優くんが日々、目にするものは心地良いものになっていく。

 

そうすると昨日も言ったように、反射的に湧き上がる思考も心地良いものになっていく。』

 

「ポジティブな思考のために、心地良い選択が大切なんだね。」

 

『そうだよ。

心地良いものこそ、優くんの本質が望んでいるものだよ。

優くんの本質は、感情を通して優くんを幸せな人生に導こうとしてくれているからね。

 

心地良い選択は優くんの本質である魂の望みであり、幸せな人生への道標だ。』

 

「よし。ぼくやるよ。」

 

『お!えらいよ、優くん!』

 

「少し寝てからね。・・・痛!」

 

アーシャはさらに強く、ぼくの足の甲に爪を食い込ませた。