エピソード12-2「自分の本質である魂と自分を主張するエゴ」
『自分を信じることができないのは、全て「エゴ」からきているんだ。』
「エゴ?」
『そうだよ。
人はエゴによって「自分には価値がない」って思い込んでしまう。』
「どうして?」
『エゴは「疑い」「不安」「恐れ」「欠乏感」がないと存在できないんだ。
だからね自分の本質が魂であり、神の一部であることを信じようとするとエゴが自分を主張するんだ。
『エゴは「疑い」「不安」「恐れ」「欠乏感」を使ってね。
エゴによって人は、自分と自分の人生に疑いの目を向ける。
疑いの目は他人にだって向けられる。
未来に不安や恐れを抱く。
欠乏感によって自分はダメなやつだと思い込む。
そう言うネガティブな思考を使って魂との繋がりをさまたげるんだ。
人の本質は魂であり宇宙と繋がっているということを信じさせないようにしているんだ。
エゴは自分を忘れて欲しくない。
エゴは「疑い」「不安」「恐れ」「欠乏感」などのネガティブな思考で自分の存在を守ろうとするんだよ。
あと「プライド」もエゴがつくりだすものだよ。』
「変なの。
どうしてエゴなんてあるんだろう?」
『優くん、以前、絵の学校に行っていたんだよね?
画用紙に鉛筆で光を描くにはどうしたらいいんだった?』
「影の部分を描くんだよ。
光を鉛筆で描くことはできないから。
画用紙の白く残った部分が光になる。」
『影が光を浮かび上がらせてくれるんだね。
光を存在させてくれるんだね。
影があるから、光が存在するんだよね。』
「それがどうかしたの?」
『この世界にある全てのものは相反するものでできているんだよ。
朝と夜。
右と左。
光と影。
陰と陽。
そして
魂とエゴ。
どちらか一方では存在できないんだよ。
どちらもあるから存在できる。』
「エゴの反対にあるものは魂?」
『ぼくはそう思っているよ。
エゴが魂の存在を教えてくれる。
人はエゴによる「疑い」「不安」「恐れ」「欠乏感」によって幸せを強く望む。
そして幸せを強く望んだときに、人は「魂」の存在に気付きやすい。
影が光を浮かび上がらせてくれるように
エゴが魂の存在を浮かび上がらせてくれる。
だからね、エゴは敵ではないよ。
エゴを自分のなかから無くすことはできないんだよ。』
「でもエゴに苦しんでいるのに。」
『エゴにも優しくして。
エゴを無くそうとすればするほど、エゴは抵抗する。
自分の中にいることを許してあげて。
優くんが認めてもらいたいように、エゴもここにいることを認めてもらいたいんだよ。
小さい子が自分がいることを気付いてもらうために大きい声を出すのに似ている。
大きい声をだして、いたずらをして、大人の気を引こうとしているのに似ている。
小さな子は気付いてあげて、微笑みかけてあげて、頭を撫でたり、抱きしめてあげると落ち着くでしょ?
エゴも同じなんだよ。
自分の中にいる小さな自分、子供の自分だと思えばいい。
そっとなだめてあげるんだ。
そうするとね、自然とエゴは静かになるよ。
すやすや、眠りにつくよ。』
「エゴは敵じゃない・・・。」
『そうだよ。
エゴと戦わないで。
エゴを責めないで。
疑う気持ちがでたら「これはエゴの仕業。でも自分の本質は自分の価値を知っている」って心の中で唱えるんだ。
そして「エゴのことも大切に思っているよ。」とエゴにも伝えてあげて。』
「うん」
『優くんの魂は、優くんの価値を知っている。
優くんの魂は、優くんを認めている。』
「うん。」
『ひとりひとりが唯一無二の存在なんだよ。
そのことも信じてね。』