エピソード5-3 「感情を実らせるための種が現実を創る」

 
『優くん』

 

アーシャの声ではっとしたぼくは、アーシャを床におろした。

 

「なに?」

 

『どうして畑で人参が実っていると思う?』

 

「それは、人参の種を蒔いたからでしょ?」

 

『うん。』

 

「どうして、そんな当たり前のことを聞くの?」

 

『優くん、感情はね、人参なんだ。』

 

「え??感情って人参だったの?」

 

『例えだよ。おバカだな~。』

 

「・・・。」

 

ガサガサ。

アーシャにおやつを見せる。

 

『バカって言ってごめんなさい。

 

もぐもぐ。

でも、おやつで釣るのは良くないよ。

おいし。』

 

「アーシャ、感情が人参ってどういうことなの?」

 

『人参が人参の種から実ように

感情にも感情を実らせるための種がある。』

 

「その種ってなに???」

 

『なんだと思う?』

 

「もったいぶってないで早く教えてよ。」

 

『せっかちだな〜。』

 

「感情の種はなに?」

 

『感情の種はね、思考だよ。』

 

「思考?」

 

『そうだよ。

優くんの思考が優くんの「気持ち・感情・気分」を実らせるんだ。

 
人参をみて、人参の種を蒔いたんだなってわかる。

ネギをみて、ネギの種を蒔いたんだなってわかる。

 

今の自分の感情をみて、今の自分がどんな思考をしているのかが分かるんだ。

 

良い気分なら良い思考をしている。

悪い気分なら悪い思考をしている。

 
わかる?』

 

「今の自分の感情が、今の自分がなにを考えているのかを知る指針にもなるんだね?」

 

『そう!!!』

 

「でも、どうして思考を知る必要があるのかよく分からない。」

 

『さっき、優くんの今の気分が「優くんの現実」を創るって言ったよね?』

 

「うん。いまいち分からないけど。」

 

『実際は「気分」を実らせる種である「思考」が優くんの現実をつくるんだよ。

 
思考を通して湧き上がる感情と同種の現実が引き寄せられる。

ということは思考によって実った「感情」が、そのまま「優くんの現実」になるんだ。
 

だからね「思考」は「気分」を実らせ、そして「現実」を引き寄せる。』

 

「難しいね・・・。」

 

『気分と同じような現実が引き寄せられるから気分を変える必要がある。

気分を変えるには、その元である思考を変えなくてはいけない。

人参を実らせたいのに、ネギの種を蒔く人はいないでしょ?

どんな種を蒔くかで、現実は変わるんだよ。』

 

「思考がぼくの現実をつくる・・・。」

 

『うん。思考と感情はセットなんだ。

良い感情を実らせるような思考の種を蒔くことが大切なんだよ。

そうすれば良い現実がもたらされるんだ。』

 

「思考が良いことを考えているのに、良い気分ではない場合はどうなるの?」

 

『それはないよ。

思考が優くんにとって良いことを考えているなら感情だって良い感情が湧き上がる。

良い気分ではないなら、良い思考をしていないということだよ。』

 

「ほう・・・。」

 

『感情と思考は繋がっているんだよ。

「感情」と「思考」を合わせて「意識」って呼ぶ。

 

「意識」が「現実」を創るんだよ。
 

まずは自分の感情に敏感になることが大切だから感情の話をしたんだ。

だって、「感情」に気付けなかったら「思考」に気付けないからね。

人は自分の「感情」に気付くとき、自分の「思考」に気付くことができるんだよ。』

 

「不思議だな。」

 

『優くんに質問!

良い感情のとき、どんな思考をしているでしょうか?』

 

「良い思考をしている!」

 

『そう!だから良い現実が用意される。』

 

『不快な感情のとき、どんな思考をしている?』

 

「不快な思考をしている!」

 

『うん!だから不快な現実が用意される。』

 

「でもさ、アーシャ、どうして気分や思考で現実が創られるの?」

 

ぐ~。

アーシャのおなかがなった。

 

「アーシャ、カフェに行こうか。

テラス席のある、あのカフェに。」

 

『やったー』

 
 

<幸せ脳のつくり方メモ>

・良い感情を実らせるような思考の種を蒔くことが大切

・「意識(思考と感情)」が「現実」を創る

 

<読んでくださる皆さまへ>

「」=優が話しています。

『』=アーシャが話しています。