エピソード10-6「脳の関心を〇〇に向かわせる」

 
『そういえば優くん、この家って黄色いものがたくさんあるよね。』

 

「何?急に。』

 

『優くん、おかあしゃんが呼んでるよ!』

 

ぼくは急いでリビングにいった。

アーシャが「この家って黄色いものがたくさんあるよね。」

と言ったから、家の中にある黄色いものばかりに目がいく。

本当だ。言われてみれば、黄色いものばかり。

今まで意識したことがなかったな。

 

「お母さん、よんだ?」

 

「え?呼んでないよ?」

 

「あれ?・・・おやすみなさい。」

 

ぼくは部屋に戻った。

 

「アーシャ、お母さん呼んでなかったよ。」

 

『あれ?気のせいだったかな?ふふふ。

優くん、家には黄色いものがたくさんあるでしょ?』

 

「そうだね、言われてみたら黄色いものがたくさんあったよ。

今まで意識したことがなかったけどね。」

 

『脳が黄色を意識したから、優くんは黄色のものばかりに目がいったんだよ。

脳はね、関心があるものに意識が向くんだよ。

だから、脳の関心を「感謝」に向かせてあげるんだ。』

 

「なるほど。」

 

「でも、難しいな。

上司に対してまだ腹が立っているよ。」

 

『優くんはさっき、朝に早く会社に行ったおかげで漫画が読めたっていったでしょ?』

 

「うん。」

 

『上司は休日くらいお嫁さんを休ませてあげようと思い、家事をしてお子さんと遊んであげていたのかもしれない。

家事をするのも大変だし、小さい子の面倒を見るのも大変なことだ。

バタバタしていて電話をするのを忘れてしまったんだ。

ぼくは朝早く起きたおかげで気持ち良い朝の空気を感じられた。

上司が早くこなかったおかげで時間ができた。

時間ができたおかげで漫画が読めた。

なかなか忙しくて漫画を読む時間がとれなかったからありがたい。

 

どんな気分?』

 

「うん、良い気分。

でも、お嫁さんを休ませてあげようなんて思わないかもよ?」

 

『大切なのは事実を突き止めることではないんだよ。

優くんが良い気分になる考え方を探すことが大切なんだ。

確かに難しいんだよ。すぐにできることではない。

ゆっくりゆっくり、練習していけばいいんだよ。』

 

ぼくはいい気分でベットに入った。

 

『優くんは幸せ脳に近づいている。

自分で思考を選ぶことができれば、

優くんは「幸せ脳」になっているということだよ。

おやすみ、優くん。』

 

「おやすみ、アーシャ。」

 
 

<幸せ脳のつくり方メモ>

・今日1日にあった「感謝」したいことにスポットライトを当てる

・当たり前のことが奇跡だと気付き、感謝する

・脳の関心を「感謝」に向かせてあげる

・起きた出来事から自分の気分が良くなる思考を見つける

 

<読んでくださる皆さまへ>

「」=優が話しています。

『』=アーシャが話しています。