エピソード11「自分の人生を幸せに導く秘訣」

 
ぼくは、いつもより早く起きてクッキーをつくっていた。

 

『優くん、おはよう。

今日も心地良い日が始まったね。

いいにおいだな~。』

 

「おはよう、アーシャ。」

 

『朝ごはん?』

 

「違うよ。前田に渡すクッキー。

昨日の珈琲のお礼だよ。」

 

『優くんって、よくお菓子をつくっているよね。』

 

「昔から好きなんだ、お菓子を作るの。」

 

『自分の好きを知っているって素敵だね。』

 

「へへ。」

 

机に家族のためのクッキーを置いて「いつもありがとう」という紙を添えた。

昨日、1日にあった感謝できることを紙に書いていて、

家族にも「ありがとう」っていう気持ちをちゃんと伝えようって思ったんだ。

 

『優くんは今、自分がしている行動に、心地良さを感じているね。』

 

言われてみれば、ぼくはぼくの行動に心地良さを感じていた。

 

『常に自分が心地良いと感じる行動をすること。

常に自分が心地良いと感じる言葉を発すること。

それが自分の人生を幸せに導いてくれるよ。』

 

「行動と言葉・・・できるかな。」

 

「優くんはお菓子をつくる前に「このお菓子をつくる!」って決めてからつくるの?』

 

「うん。そうだよ。」

 

『思考もおんなじだよ。

「決めること」が大切なんだ。』

 

「どういう意味?」