エピソード13-2「言葉と同じ波動が自分のもとへかえってくる」

 
「でもアーシャ、ゴミを捨てるなんてひどいと思わない?」

 

『ぼくは人の行動をジャッジしない。

人の行動を判断して、その人を責めたりはしない。

決して言葉にしない。

 
だって、それをした自分の気分が悪くなるからね。

人の行動を判断し、批判し、責める。

それはぼくを心地良い気持ちにしてくれない。
 

だからぼくはそのことについては話をしない。

 

それより、拾った人を褒めてあげる。

拾った優くんを称賛する。

 

それはぼくを、とても良い気分にしてくれるから。

心地良い気持ちでいることが、何よりも大切だって知っているから。

 

心地良い気持ちが心地良い人生を創る。でしょ?』

 

「うん・・・。」

 

『人はいつもジャッジしている。

他人の言動を。

目の前の出来事を。』

 

「そうだね。

SNSでも誹謗中傷が問題になっている。

コメントに酷いことを書く人がたくさんいるんだ。」

 

『みんな、知らないんだよ。

自分が外に出した言葉が、相手に届くよりも、強く、深く、自分に返ってくることを。』

 

「言葉が返ってくるの?」

 

『言葉と同じ波動が自分のもとに返ってくるんだよ。

この前、宇宙にあるすべてのものは波動をもっているって言ったのは覚えている?』

 

ぼくは頷いた。

 

『言葉にも波動が宿っているんだ。

外に放った波動は、大きくなって自分のもとに返ってくる。

 

相手を傷つける言葉は自分のことも深く傷つける。

自分自身を、自分の人生をボロボロにしていく。

 

優しい波動には、さらに優しい波動が返ってくる。

愛の波動には、さらに愛の波動が返ってくる。

恐ろしい波動には、さらに恐ろしい波動が返ってくる。

 

そのことを知ってほしいんだ。

ひどい言葉を浴びせる人たちにも

ひどい言葉を浴びせられた人たちにも。

 

言葉は思考から生まれる。

行動も思考から生まれる。

全てはまず、思考から始まる。

 

それはわかる?』

 

「うん。多分。」

 

『日頃からしている「思考」を通して人格がつくられる。
 

常に怒りや不満というネガティブな思考を野放しにしつづけている人からは暴力的な人格がつくられてしまう。

でも、常に優しくあろうと心がけ、ポジティブな思考を選択しつづけている人からは優しい人格がつくられる。

そういう人からは「ひどい言葉」はでてこない。

 

日々の思考が言葉となり、行動になる。

そして日々の何気ない言葉や行動は、その波動と同じ思考をどんどん大きく膨らませていくんだ。

そして、その波動と同じような現実を引き寄せる。』

 

「ぼくの人格は、どんな思考につくられているんだろう。

ぼくは怒るし、イライラもするし、不満ももつよ。」

 

ぼくはぼくがどんな人なのか心配になった。

 

『でも優くんはずっとずーっと不満を抱き、怒り、イライラしているわけではないでしょ?

 

優しくありたい。

穏やかでありたい。

柔らかくありたい。

自分が「どう在りたいのか」を知っている。

そういう人は大丈夫だよ。』

 

「そうなのかな。」

 

『うん。』

 

ぼくはほっとした。

 

『そしてね、セルフイメージが思考に大きな影響を与えるんだよ。』

 

「セルフイメージ?」